「高校無償化」という言葉は聞いたことがあっても、実際に何がどこまで無償になるのかは、調べれば調べるほど迷いやすいですよね。国の制度と東京都の支援が重なって見えて、どちらをどう確認すればいいのか、入口から迷うことがあります。
渋谷区の地域情報メディア『しぶやパルス』のエリア担当ライター、やすです。わたし自身も子どもの進学を考えるようになって初めて、この制度の名前と中身が全然ちがうことに気づきました。
この記事では、国と東京都の支援の重なり方、公立と私立での見方の違い、申請の手続きルート、授業料以外に気になる費用について順番に整理しています。渋谷区在住者が実際にどこへ相談すればいいかも合わせてまとめています。
高校無償化で最初に整理しておきたいこと
「高校無償化」という呼び方は一般的ですが、正式には高等学校等就学支援金制度(国の制度)を指しています。授業料の一部または全額を国が支給する仕組みで、学校に通う生徒本人ではなく、学校側へ直接支払われます。
これに東京都が独自の上乗せ支援を加える形で、都内では実質的に授業料の負担がなくなるケースがあります。ただし「無償化」は授業料が対象であり、授業料以外の費用は別の話。この点は後で触れます。
国の制度と東京都の支援の重なり方
迷いやすいのが、国と東京都のどちらに何を申請するかです。2026年度から、国の就学支援金は所得制限なしで全世帯に適用される方向になっています。東京都はこれに上乗せする形で、都内在住者を対象に授業料軽減助成金を設けています。
国と都はそれぞれ別の申請が必要です。どちらかが通れば自動的にもう一方も適用、とはなりません。申請漏れが出やすい部分なので、学校からの案内を注意深く読む必要があります。
公立と私立で変わる見方と上限額
公立高校(都立高校)の場合、国の就学支援金で授業料がまかなわれる構造です。授業料が年間約11万8,800円の範囲内に収まるため、支援金の範囲で実質無償になります。
私立高校の場合は、国の支援金に加えて東京都の上乗せ助成があり、2026年度は合わせて年額最大50万1,000円まで助成を受けられる見込みです。ただしこの額はあくまで「上限の目安」であり、学校ごとの授業料と照合が必要です。
申請の手続きルートと学校経由の流れ
就学支援金の申請は、原則として在籍する学校を通じて行います。入学後に学校から案内が来るのを待つ流れが一般的で、手続きには期限があります。
入学後、学校から申請書類の案内が届きます。
国の就学支援金と東京都の助成は別申請です。期限に注意が必要です。
支援金は学校側へ直接支払われるため、授業料から差し引かれる形になります。
東京都の私立向け助成に関する問い合わせ窓口は、東京都私学就学支援金センター(電話:03-5206-7925、平日9時15分から17時00分)です。都立高校(公立)については、東京都教育委員会の高等学校教育課が問い合わせ先になります。
所得条件で迷いやすい点について
2025年度から公立高校の就学支援金は所得制限が撤廃され、全世帯が対象になっています。2026年度からは私立高校の上乗せ支援も所得制限なしになる方向です。

「うちは対象外かも」と思っていた方も、2026年度は違うかもしれません
ただし制度の適用年度や条件は変わることがあります。最新の情報は必ず学校または東京都の公式ページで確認しておく価値があります。
授業料以外にかかる費用の見方
就学支援金や授業料軽減助成はあくまで「授業料」が対象です。施設費、教材費、制服代、修学旅行の積立などは、基本的に支援の対象外になります。
私立高校では授業料以外の費用が年間数十万円規模になることもあります。入学前に学校の学費案内全体を見ておくと、実際の負担感が分かります。「無償化と聞いていたが思ったより出費があった」というのは、授業料以外の費用を見落としていたケースが多いです。
就学支援金と奨学給付金の違い
名前が似ていて混在しやすいのが、就学支援金と高校生等奨学給付金(国の制度)の違いです。就学支援金は授業料に充てられる支援で、奨学給付金は教科書代や学用品など授業料以外の費用に使える給付金です。
- 就学支援金
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授業料に充当される。学校経由で申請。全世帯対象(2025年度以降)。
- 高校生等奨学給付金
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教科書・学用品等の費用が対象。所得要件あり。都道府県に申請。
両方の制度が併用できる場合もありますが、対象条件と申請先が異なります。一方の手続きが完了しても、もう一方の申請を別途行う必要があります。
渋谷区在住者が確認したい窓口一覧
高校無償化に関する確認先は、大きく三つに分かれます。学校経由の手続き、東京都への申請、そして授業料以外の費用や生活支援に関する区の窓口です。
- 在籍校の事務室(申請書類・期限の案内)
- 東京都私学就学支援金センター(私立向け)
- 東京都教育委員会 高等学校教育課(都立向け)
- 渋谷区教育委員会 学校教育課(区内教育相談)
- 渋谷区社会福祉協議会(費用の貸付相談)
渋谷区教育委員会の学校教育課(渋谷区役所内、電話:03-3463-1211)では、区内在住の方からの教育相談を受け付けています。「どこに相談すればいいか分からない」という状態なら、ここを入口にするのが迷いにくいです。
渋谷区社会福祉協議会(渋谷区神南1-3-6 神南ふれあいセンター2階、電話:03-3476-4600)では、受験や進学にかかる費用の貸付相談も受け付けています。授業料以外の出費が気になる方は、制度の対象外費用についてここで相談できます。
進学前に見落としやすい費用の確認
学校選びの時点で、授業料だけでなく「学校が毎年案内している年間学費の合計」を見ておくと、後から驚くことが少なくなります。学校によっては個別相談会や説明会でこの資料を配布しています。
わたし自身、説明会でもらった資料を帰ってからゆっくり読み直して「授業料以外にもけっこうかかるな」と感じた記憶があります。施設費・積立・教材費を含めた年間総額を先に確認しておくことで、支援制度が何をどこまでカバーするかが分かりやすくなります。
制度のことで迷い始めた方へ
今日できることとして、まず一つ、在籍予定の学校または渋谷区教育委員会の学校教育課に「就学支援金の申請案内はいつ来ますか」と聞いてみることをおすすめします。それだけで手続きの時期と必要なものが一度で分かります。
国と都の両方を申請する必要があると知らずに、どちらか一方だけで終えてしまうケースは少なくないと感じています。わたしも最初は「学校に任せれば全部やってくれる」と思っていたのですが、都への申請は自分で動く部分があります。
難しい制度に見えますが、確認先は学校・東京都の窓口・渋谷区の相談窓口の3か所に絞れます。週末に1か所だけメモしておくだけでも、気持ちが少し落ち着くはずです。手元に「国の申請」「都の申請」と一行ずつ書いたメモを残しておくだけで、十分な一歩になると思いますよ。












